境界線

人間は大昔から境界線を作り続けています。
本当は何もなかった部分に境界線を作ることで、物事を分けようとします。

境界線は、複数のものを違いで評価したり、物事を分かりやすくしたり、
比較することで新しい発見をしたり、程よい距離をつくったりなど、様々な利点があります。

一方で境界線は、複数のものを違いで差別したり、物事をまわりくどくしたり、
比較することで争いを生み出したり、衝突させたりすることもあります。

人間は互いに境界線の正当性を主張して、他者に押し付け合います。
しかし、境界線は永遠に固定された直線ではありません。
いい面も、悪い面も持ちながら、風に揺れるカーテンのように、押された方向になびくのです。
日々、柔らかに揺らぎながら変化していきます。

何を正義だと言おうと、悪だと言おうと、
誰が許そうと、許さなかろうと、
誰が喜ぼうと、悲しもうと、
それはただ永遠に揺らぎ続けます。